国風展について同業者で感想を語り合う時間は、今後の対策や勉強につながる大切な場だ。
樹種別の評論や展示の傾向など、評価は似通うことも多いが、その中から改善点や課題も見えてくる。
「樹が巨大で迫力重視になると、本筋の樹が埋もれてしまうのは残念だ」「今年は五葉松が弱かった」「花物の種類は充実してた」「貴重盆栽のあの樹は良かった」「あの飾り、添えの樹はもう少し手を入れた方が良かったのにね」そんな風に、頭の中にある画像を引き出しながら、一樹一樹をテーマに会話が続いていく。
国風展は最高峰であり、審査を有する唯一の展示会だ。その審査基準というのは、長い歴史の中で培われてきたものであり、名誉ある舞台にふさわしい盆栽であることが求められる。基準を満たした盆栽だけが展示される一方、惜しくもふるいにかけられ、落選した盆栽も数多い。
「あそこの樹は落ちたらしいよ。あの飾りは国風展向きじゃないよね。」そんな会話を耳にした。「国風展向きじゃない・・・。」業者であれば、国風展に入選しそうな樹はおおよそ判断がつく。では「国風向きでない」とはどういう樹で、どういう飾りだったのだろうか。
正直なところ実物を見ていないので分からない。樹そのものに力が足りなかったのか。鉢や卓との取り合わせが奇抜だったのか。
けれど「国風向きでない」という言葉をそのまま受け止めるならば、そこにはその飾りで挑戦したかったという意思があり、個性的で挑戦的な表現、独自の美意識や哲学があったのかもしれない。
国風展では落選したけれども、いつか別の舞台で、新しい潮流として花開くかもしれない。そんな飾りが再び現れることを静かな楽しみにして待ちたいと思う。
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