表現の気づき 他愛ない小話

今年初の散髪に行った。

どこにでもあるような普通の床屋さんだが、髪型や手入れの方法など細かくアドバイスをしてくれる。プロの話を聞けるのは楽しい。「森さんの髪質や頭の形だと長めに残して〜」などと具体的に説明してくれるし、老化による見た目を防ぐコツまで毎回伝授してくれるので助かっている。

その床屋さんには5つブースがあり、それぞれで理容師さんが散髪をするスタイルだ。とはいえ担当者はほぼ固定なので、担当者以外との接点を持つことはほとんどない。

ちなみに私の担当は30代後半爽やか男性。程よい距離感がありがたい。距離をぐいっと縮めてくるタイプだと拒否反応が発動してしまうので会話が少なく、ゆったりした時間として過ごせる散髪が好きだ。

そんな床屋で起きた「表現の気づき」に関する短い小話。

2つ隣のブースでは、どうやら常連さんの来店しているらしく、その会話がこちらまで聞こえてくる。担当者の声が床屋にしては、やや大きいことは、前々から感じていたが、今日は特にその声量とトーンが店内によく響いていた。

「前回はアッシュでしたよねー、マットな感じでもいけるけどー、ブラウンも悪くはないと思うんですよねー、でもやっぱアッシュが一番いいと思いますよー!」

普通にヘアカラーの話をしているだけのはずなのだが、彼の張り上げた声と、高めのテンション、そして若干のお国訛りの抑揚が相まって、なぜか外壁塗装の相談でもしている光景しか浮かばない。作業現場の職人さん、いる?

同じ内容でも伝え方ひとつで、ここまで聞こえ方が違うんだなと、しみじみ感じた出来事でした。