ウクライナ国立バレエ観劇

毎年恒例のバレエを今年も観劇できるのは嬉しい。

演目はドン・キホーテ。ガラ公演でしか見たことがなく フルで見るのは初めて。物語は頭にあるので、演技や舞台芸術を目一杯楽しもうと思う。

元バレエダンサーという経歴を持つ82歳の盆栽愛好家さんがいる。いつも背筋がスッと伸びて姿勢が良くとても元気な男性。

その方がまだ若かりし頃、ソビエト連邦時代に最高の名手と謳われたバレリーナ、ガリーナ・ウラノワさんが来日し、演技指導をしたこと時の話。日本人バレエダンサー、アベ・チエさんに指導を施した瞬間の出来事、舞台にかじり付いて目にした情景を昨日のことのようにお話ししてくれたことがある。

その方が感動したのが スカートと黒のコートを羽織っただけのウラノワが指導のためサッと舞台に上がる。物語のワンシーンで主人公ジゼルが、家の扉を開けて、恋する男性のその顔を見つけた一瞬で、頬をパッと赤くほころばせたというのだ。

暗がりでそんな一瞬の頬の色の変化など見えるのだろうかと疑ってしまうけど、彼の目にはそう写り、恋した乙女の顔色さえも表現し得るのかと、感動したらしい。そしてその出来事を60年忘れることなく心に焼きついているという。

話を聞いて、生涯忘れることのない感動を持っているというのはうらやましく、この上ない幸せなこと。

今年一つだけでも そんな感動的な景色や出来事に出会いたいものです。