唐獅子牡丹

国風展審査に向けた鉢替えも本日全て終了。あとは来年 下草や卓選びを残すまでとなった。

植え替えで使用した鉢に 平安香山の唐獅子牡丹図の浮き掘りを施した長方鉢があり 唐獅子牡丹の意味を記してみようと思う。

唐獅子牡丹。70代以上の年齢の方ほぼ全ては俳優高倉健さんを思い浮かべるのだろう。

百獣の王である「獅子」と百花の花「牡丹」。「獅子身中の虫」という諺もあり 身内の中にも裏切り行為があるのだと意味をなす。いかに強く大きい百獣の王といえども内部の裏切り行為によって身を滅ぼされますよ。という意味だ。

その 内なる毒素を消す唯一の薬が牡丹であり そこから 唐獅子と牡丹はセットの画題となっているのです。

松竹梅の歳寒三友(さいかんさんゆう)のような画題となる構図なのだと思う。

ちなみに唐獅子と一緒に描かれる球は 2頭の獅子が戯れあって その毛が絡まりまとまり その球から子供が生まれるというストーリーになっている ?だったような。 アラフォーオヤジの記憶が曖昧なのでまた後で調べてみよう。

鉢にはさまざまな図像が描かれており その意味を知ることはなかなか面白い。瑞雲紋だとか雷紋だとかは分かりやすく使われている。とはいえ 茶道のように 識者のいないまま歩んできた盆栽界なので しつらえについては全くと言っていいほど適当であり残念であり それまたゆるくて結構である。