作風表現

来年国風展の準備が慌ただしくなってきた。今年も10点ほどの出展に携わる。

今日は数日かけての大物真柏の手入れ。真柏にしては珍しい樹形をしているので高い確率で入選はすると思われるが 入選の暁には仕事の評価も同時に受けることになるため 整える作業にも手を抜くことは許されない。

最近の流行りなのか 真柏の枝先の作り方が以前と違い 枝の腹を見せるというか 芽起こしが極端に強い。確かに芽起こしが強いと持ち込み感が増して 風格にも繋がるが 国風が終わった後の処置に若干の難ありと思われる。

国風展では風格にありなしは評価点に大きく反映されるので 一時の創作としてもよく見せる方に寄せていくのが一般的なのだろう。

ちなみに私はその昔 芽起こしが強いと親方に注意を受けたものだ。

作風表現には良く聞く3つがある。フワッと作る。コリっと作る。シャープに作る。どれも個々人のイメージで伝えられるのでフワッともコリっともその幅は広いのだが なんとなくでも意思が伝わるのは 業界に長くいる証明になる。

今回の真柏・フワッと作りたいのだけれども 枝を触ってみた感触ではシャープに仕上がりそうな予感がしている。結局作る時は樹と相談するのがベスト。